【海自】特殊部隊を作った男の「功と罪」を考える。

海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪

スポンサーリンク

『特別警備隊先任幹部はなぜ異動させられたのか』

海上自衛隊特別警備隊の創設に関わった幹部自衛官は、なぜ途中で異動命令が出たのか?

特別警備隊に関わった者として、いくつかの事例を耳にすることがありました。

創設者の強烈なリーダーの「功と罪」が、組織にとって不利益となったのでは?

あえて「SBU」創設の「功と罪」を考えてみる!

関連記事

【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関与する研究について

2018.06.02

寝耳に水だったSBU創設者の「退官」!

海上自衛隊で勤務していた時、SBU創設者で先任幹部が「退官」するという話を耳にしました。

私自身も、艦艇開発隊で「SBU」関係の試験に従事した身として、驚きが一杯でした。

図1 特別警備隊
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/image/l310212q.png

その後、振り返ってみるといくつかの「事例」があり、「組織」の中でのいくつかの問題がありました。

特別警備隊を創設したことについて、彼ほどの強烈なリーダーシップがなければ早期の編成は不可能だったでしょう。

ただ、「後方」におり「組織の中」にいた私から見て、「功と罪」が存在したといえます。

「罪」は個人ではなく「既存組織」としての「罪」!

ここで、彼自身に全て「罪」をかぶせるつもりはありません。

「罪」については、「特殊部隊」という「新規の存在」をうまく適合できなかった「硬直した既存組織」の罪が大きいでのです。

ただ、「SBU」の組織拡大にともなう「歪み」を放置した「罪」もあると考えております。

「功」は「特別警備隊」を定着させたこと!

創設者の最大の「功」は、「特別警備隊」を発足・定着させたことに尽きます!

短期間にて必要な人員をそろえて発足させたことは、他の人物には難しかったでしょう。

ソマリア海賊対処派遣にて、「立入検査隊」支援のSBU派遣などにつながりました

その点を考慮すると、異動させることは「悪手」だったと言えます。

それでは何が「罪」と言えるのか、経験したことから推察していきます。

特別警備隊作戦資材班からの「SOS」

ある時、艦補処武器部に「特別警備隊作戦資材班」からの「SOS」が入りました。

通常、呉造補所又は第1術科学校経由で「特別警備隊」関係の話は来ません。

珍しいこともありますが、何か緊急の要件なのかと聞いて見ます。

『SBUの物品管理で手に負えない事態が発生したので支援してほしい』

詳しく内容を聞くと、あぜんとするような事態でした。

『班長はどうした?先任は何か言っていないのか?』
『作戦資材班で処理してくれで、無関心なんです!』

スポンサーリンク

詳細については伏せますが、海幕および内局の決裁を必要とする事態でした。

そんな大事を「特別警備隊」だけで処理できるはずがありません。

図2 問題の物品(イメージ)
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/9mm%E6%8B%B3%E9%8A%83#/media/File:JGSDF_9mm_Pistol_20120422.JPG

艦補処・補本・海幕を巻き込んでの「後始末」となりました。

「必要なことなので実施した。処理はそちらで行って欲しい」

「後処理」終了後、「特別警備隊」側に「抗議」を入れるとそっけない返事しか帰ってきません。

艦発隊にいたころに、直接やり取りしていたSBUとは何か違う感じになっていました。

「何かSBUが変な状態になっていないか?」

人員も増加して、SBUの「部隊の空気」がどこか「変質」したのを感じ取りました。

幹部中級課程で起きた「SBU副長吊るし上げ事件」

その後、私が幹部中級課程学生の「共通教育(江田島)」で「SBUへの不満が爆発」する事例を体験しました。

「SBU」の説明をしていた「SBU副長」を、中級課程学生が「吊るし上げ」したのです。

中級課程学生
『SBUのやり方は乱暴すぎる!』
『要員選抜にて、人事取扱を悪くして返すのか!』
『運用・訓練支援での準備・実施内容が遅すぎる!』
『中級課程学生にまで内容を「秘匿」するのか!』

1時間以上、100名近い「中級課程学生」が「SBU副長(2佐)」を「吊るし上げ」したのです。

各部隊で、中核幹部として働く1尉・3佐が、SBUへの不満を爆発させる事態となりました。

最終的に、中級課程学生を統括する「統率科長(1佐)」が仲裁に入り、事態は終了しました。

各種部隊の人間から、これだけの不満を爆発させるほど「SBU」を変質させてしまったことは、「罪」といえます。

何が必要だったのか?何を用意できなかったのか?

当時のことを振り返り、「必要とされていたこと」を用意できなかった「罪」を考えてみます。

組織をかみ合わせる「仲介者」が育たなかった。

「罪」の部分として、最大のことは「組織」を融合させる「仲介者」が育たなかったことだと考えます。

「特別警備隊」という、全く新しく「既存の組織・規則」にかみ合わない「組織」は、不和の温床になります。

今までのやり方では全く通用しないことを行うとき、どうしてもパズルが「組織」に融合しない部分が出てきます。

無理に強行しようとすると、「既存の組織」にとっては「調和を乱す破壊者」となります。

図3 かみ合わないパズル
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:https://2.bp.blogspot.com/-cZCxEEky1lk/WUdZQS00GfI/AAAAAAABFEQ/uBSC_o4p1RgbjI2frUD3UxEYh2XXsMpPwCLcBGAs/s800/pose_puzzle_kamiawanai_business.png

この時円滑な「組織運営」に必要なのが、「「既存の組織」と「新しい組織」を取り持つ「仲介者」が、「特別警備隊」に必要でした。

この役目は、「隊長」「副長」など上級幹部が担うべき役目で、隊本部の幹部の中にも育てるべきでした。

上司をうまく「使う(代弁者にする)」ことも、幹部の仕事であったと考えます。

図4 円滑な紹介
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:https://3.bp.blogspot.com/-etAKWA0v69w/W0mGMLowddI/AAAAAAABNXk/Kb3FxIOhtt4y29k3_6_pRvTeTphA2-4pwCLcBGAs/s800/syoukai_business_man.png

「仲介者」が育たなかったことが、他部隊との軋轢を生んだ「罪」と言えるでしょう。

「高度な秘密保全」ゆえの「忖度」が「歪み」を生んだ

特別警備隊には、訓練や運用のために多くの予算が割当られています。

海幕から、直接「ひも付き予算」として割当があります。

調達部門では「特別警備隊」への「忖度」がどうしてもありました。
(予算を持つ部隊には、往々にしてあります。)

図5 予算を持つ
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:https://www.pakutaso.com/20170605177500.html

しかし、「秘密保全」が徹底されているため「あいつらは何をやっているのか?」となってしまいます。

必要な情報開示などを、「仲介者」を通して行うべきでした。

そして創設者は異動させられた。

知らず知らずのうちに、「特別警備隊」は「組織」の中で「小さな歪み」を生んでいました。

創設者の「功」は計り知れないものがあります。

しかし、「既存の組織」に融合させる努力がやや弱かった結果「小さな歪み」が蓄積し、「異動」という結果になったと考えております。

当時の海自は、「特別警備隊」をどう取り扱うのか「過渡期」でもありました。

図6 戦闘要員(イメージ)
海上自衛隊,特別警備隊,特殊部隊,創設者,組織,破壊,調和,後方,異動,功罪
引用URL:https://pixabay.com/ja/photos/%E5%85%B5%E5%A3%AB-%E6%92%AE%E5%BD%B1-%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0-%E9%81%8B%E5%8B%95-2533669/

優秀な隊員が集まったのに、「組織」が生む「小さな歪み」を放置した問題が起きていたのです。

創設期を過ぎて、継続期となった「特別警備隊」は改善出来ているのでしょうか?

関わりを持ったものとして、心配しています。

こちらもご覧ください

【中国】ポスト習近平と日本の方向性!

2019.03.07

【幕僚編⑧】SBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!

2018.11.25

【艦発隊】特別機動船(SB)をめぐるエトセトラ(特別警備隊関係)

2018.06.15

【艦発隊】AK-47を入手せよ!(特別警備隊装備研究)

2018.06.08

記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

もし記事が気に行って頂けましたら、

↑ブログ主の更新の励みになりますので
上記バナーのクリックをお願い致します!

スポンサーリンク