【艦補処】イージス艦機密情報漏洩事件の手記

海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,艦艇開発隊,プログラム業務隊,イージス艦,機密漏洩,事件,内部,情報,関係者,独白

スポンサーリンク

『イージス艦機密漏洩事件の渦中にいた者の独白』

2007年に発生した「イージス艦情報漏洩事件」を記憶している方はいるかと思います。

私「ペンギン」もこの事件に関して、艦船補給処時代に「事情聴取」を受けたことがあります。

ブログを書き始めた時、この事件に触れるべきか苦慮しましたが、内部で何があったのか?

報道で語られない、内部からの状況を記録すべきとして書くことにしました。

関係記事

【装備課程修了】課程終業!『艦艇開発隊勤務を命ずる』

2018.05.28

艦補処での「内部事情聴取」について

最初に、「イージス艦情報漏洩事件」に関する事情聴取が始まったのは秋ごろでした。

武器部長「課長・班長と共に会議室に来るように」

艦補処武器部事務所で仕事をしている時、武器部長が私の仕事デスクまで突然来ました。

武器部長
ペンギン1尉、1時間後に私(部長)と共に会議室に出頭せよ。』
『(所属部署の)課長・班長も同席するように。』
『なぜ呼ばれているかは、想像しているとおりだ。』

数週間前から、「聴取」があることは自覚していました。

当時報道で盛んに「イージス艦情報漏洩事件」の報道が加熱していました。

武器部長が来る1週間前に、「艦艇開発隊」の名前が報道機関に出ていました。

関係記事

【艦発隊】AK-47を入手せよ!(特別警備隊装備研究)

2018.06.08

【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関与する研究について

2018.06.02

数日前に「艦艇開発隊」の時の上司から、

  • 『イージスに関する件で、情報保全隊から事情聴取を受けた。』
  • 『君のところまで、「聴取」があるかもしれないので留意するように』

との連絡を受けていました。

図1 イージス艦「きりしま」(問題の艦)
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,艦艇開発隊,プログラム業務隊,イージス艦,機密漏洩,事件,内部,情報,関係者,独白
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/kongou/#174-5

ついに来たか・・・

イージス艦情報漏洩事件について「事情聴取」を受けることにつては、驚きはありませんでした。

なぜなら「艦艇開発隊」で、情報流出した資料に接触していたからです。

報道が出る前から、海自内部で「流出元資料は艦発隊」との話が流れていました。

詳細情報は伏せますが、その他にも「流出情報」で直接関与したものがありました。

「あるプログラム」については、艦発隊直属の上司(技官)が作成に関与していました。
(Winnyで流出が報道された「プログラム(艦発隊作成)」)

スポンサーリンク

艦補処・保全隊合同の「事情聴取」

会議室に出頭して、処長・副所長・各部長が居並ぶ中で「事情聴取」を受けました。

私(ペンギン)の他、もう1名(艦船部所属)が「事情聴取」の対象です。

図2 艦補処会議室
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,艦艇開発隊,プログラム業務隊,イージス艦,機密漏洩,事件,内部,情報,関係者,独白

ここで「情報保全隊」の「調査官」から、色々な質問を受けました。

艦船部所属の該当隊員は、早期に関係性が無いと判断され退出できました。

ただ、私(ペンギン)は「事案に関係性がある」ため聴取が続きました。

聴取の要点は、

  • 『流出したイージス艦の資料を閲覧・取得したか?』
  • 『資料について、自己で保有していたか?』

というものです。
(当該資料について、複写版を聴取時に提示されて聞かれました)

私の場合は、

  • 『当該資料は閲覧していた。(装備実験部の試験に関係するため)』
  • 『資料は、許可を得て複写・装備実験部「特定防衛秘密」で登録した。』
  • 『資料自体は、開発部にある「特定防衛秘密」保管金庫にて保管した。』

ということを「事情聴取」の中で、説明いたしましした。

「事情聴取」は「供述書」に、署名・押印して終了となりました。

その後、処分を覚悟していましたが「本件」での処分はありませんでした。

私の場合、

  • 『資料の閲覧は、秘密有資格者であるため「適正」』
  • 『資料の取得について、許可を得て手続き通りに保管していた』

ということから、処分対象者とはなりませんでした。

事件の背景にあった「狂と猛」

イージス艦情報漏洩事件は、その後「艦艇開発隊(プログラム業務隊)」所属だった隊員の逮捕・有罪判決まで発展し、各界からいろんな事件の原因・背景などが論じられました。

本事件については、弁解不能な「秘密取扱いの怠慢」があったのは事実です。

完全に弁解の余地のないことが発生してしまいました。

関係部署に在籍したものとして本事件の「自己批判」と共に、背景を検証してみます。

「狂と猛」の精神が歪んだ行動となった。

本事件について、「狂と猛」という艦艇開発隊(プログラム業務隊)の「指導方針」が背景にあったと考えています。

この指導方針は、プログラム業務隊(PGC)の「部隊指導方針」の根幹で、艦艇開発隊に改編された後も、「狂と猛」の精神は継承されました。

より良い艦艇システム・装備品を作るという使命を持つ「艦艇開発隊」に合致した言葉でした。

『わからないという言葉を使うな。徹底的に勉強・知識化せよ』
『専門家として、外部に発言できるよう猛全と研鑽せよ』

「狂と猛」の精神で、艦発隊所属中は徹底的に鍛え上げられました。

この「指導方針」が、どこかで「行動の歪み」として現れた結果、事件に繋がったと考えています。

「艦発隊にいる以上、イージスについて理解してもらうぞ」

私は「装備実験部」に所属していました。

「開発部」の「狂と猛」の精神に、最初は戸惑いを隠せませんでした。

しかし、「組織の空気」に呑み込まれていったと「自己批判」せざるを得ません。

『艦発隊の一員なら、イージスシステムや艦艇システムも理解してもらうぞ』

新着任者教育での、ある担当幹部発言です。

徹底的に「専門家」となることを求められたのが「艦発隊」です。

そのことが、「秘密保全」を疎かにする要因になったとも言えます。

「秘密」の区分の資料でも、研究開発・装備実験の為ならばいくらでも閲覧できました。

形骸化していた「保全体制」

「装備実験部」に所属していたからこそ、感じることができたことがあります。

『なんとなく「秘密保全体制」が疎かじゃないかな?』

開発部の区画は、「防衛秘密・特定防衛秘密(現在の特定秘密)」に対応した区画になっていました。

ですが、なんとなく保全体制が機能していないようにぼんやり考えていました。

図3 秘密文書
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,艦艇開発隊,プログラム業務隊,イージス艦,機密漏洩,事件,内部,情報,関係者,独白
引用URL:https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/PAK85_kuronurisaretahoukokusyo201409051_TP_V.jpg

ただ、そのようなことを指摘できる「空気」が部隊内にはありませんでした。

そんな「部隊の空気に同調してしまう」ところに流されたのは、自己批判せざるを得ません。

報告書に記述されなかった「PC紛失」

最終的に、防衛省からの報告書として事件の概要等について発表されました。

防衛省発表資料
URL:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2007/12/daijin13.html
http://www.mod.go.jp/j/press/report/index.html

報告書が公表された後、疑問に思ったことがありました。

「ある事実」について、どの報告書にも記述がないことでした。

本当に関係者しか知らない「事実」ですが、上層部に報告されなかったのかもしれません。

もしくは、「余計な情報を記載したくなかった」のかもしれません。

ただ、「イージス艦情報漏洩事件」に関連して発生した「事実」であり、報告書に記載すべきものではなかったのでしょうか?

『艦発隊開発部区画にて、「官品PC」1台の紛失事案』

図4 故障して紛失したPC
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,艦艇開発隊,プログラム業務隊,イージス艦,機密漏洩,事件,内部,情報,関係者,独白
引用URL:https://4.bp.blogspot.com/-kHKxN0Spg24/WGnPN-HOnLI/AAAAAAABA1c/Eo1aMQed4sM4TUAwFAaVxKne7otgnZNXQCLcB/s800/computer_desktop_bad.png

 

今回、あえて「イージス艦情報漏洩事件」を取り上げました。

自分が関わった事実がありますので、記録に残すべきと考えました。

こちらもご覧ください

【海上自衛隊】空母化は2022年「かが」から開始か?!

2019.02.06

【韓国レーダー照射】技術的視点から首謀者を推測する。

2018.12.28

【自衛隊】幹部の低学歴が問題?大学の傲慢が原因でしょ?

2018.09.13

【拝啓】経済的徴兵制が実施される!と叫ぶ皆様方へ

2018.01.14

記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

もし記事が気に行って頂けましたら、

↑ブログ主の更新の励みになりますので
上記バナーのクリックをお願い致します!

スポンサーリンク