【イージスアショア】売却にレーダーが付かないカラクリは?

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『イージスアショア購入決定!あれ?レーダーは?』

2019年1月29日に米国で、日本向け「イージスアショア」売却が国防総省から米議会に通知されました。

米国での手続きを経て、イージスアショアの輸出が始まります。

ニュースの中で「レーダー(LMSSR)」が入ってないことに疑問を持った方がいるかと思います。

そんな、イージスをめぐる購入の裏側のカラクリをご紹介!

前回の記事。

【世界情勢】核弾頭は上に付ける?下に付ける?

2019.01.25

FMSで購入する「AEGISシステム」!

今回、米国防総省から「イージスアショア」売却のニュースリリースが出されました。

参考URL:https://www.dsca.mil/major-arms-sales/japan-aegis-weapon-system

最初に「AEGIS(イージス)システム」そのものは、米国からFMSでしか購入できないという前提があります。

※FMSとは
FMS:Foreign Military Sales(対外有償軍事援助)
米国政府(正確にはアメリカ国防総省安全保障協力局:DSCA)が窓口となり、米国製兵器の取得等を支援する。
比較的安価で教育訓練・整備支援付きで兵器を購入できる。
しかし、納期遅れなどが頻発する事例も多い
引用URL:https://www.dsca.mil/programs/foreign-military-sales-fms

「イージスシステム」は米国のFMSリストに記載されており、FMSのみでしか購入できません。

AEGISの「心臓部」は「システムとソフトウェア」だよ!

イージスシステムというと、「イージス艦」を思い浮かべる方が多いと思います。

大きな「AN/SPY-1Dレーダー」が代名詞といってもよいでしょう。

図1 イージス艦とSPY-1レーダー
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/kongou/img/175_03l.jpg

しかし「AEGISシステム」の根幹は、「システムとソフトウェア」なのです!

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図2 システム(UYQ-70)
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引用URL:http://www.ieeeghn.org/wiki/images/a/ac/UYQ-70_.jpg

「護衛艦こんごう」のBMD改造工事の時に、米国からBMD付加器材が供与されました。

イージスシステムとBMDシステムにて、BMD機能を持つ護衛艦は生まれ変わりました。

本当に必要なのは「システムとソフトウェア」なのです。

レーダーはどうにでもなる!

今回、「イージスアショア」用のレーダー「SSR」(ロッキード社製)は直接購入となります。

この理由については、

『FMSリストにまだ掲載されていないから』

という経緯もあります。

レーダーと「システム」の「インテグレ―ション(統合)」は、難しいわけではありません。

実際の現場では、ロッキード社より「三菱電機」(イージスシステムの日本側担当企業)のほうが、技術力が高い面もあります。

レーダーについては、「納期優先」での「直接購入」となったといえます。

FMSに対する海上自衛隊の恨み節炸裂!

海上自衛隊の中では、FMSに対する不信感が長年あります。

私も、FMS関連ではかなりえらい目に遭いました。

納期遅延・欠品・不良品は当たり前!

FMS調達品については、

  • 『納期遅延は当たり前』
  • 『欠品・不良品なんていつでも発生!』
  • 『修理に出した部品が何年も帰って来ない!』

こんなのが続出していました。

さらに『いつまでたっても代金清算が終わらない!』

FMSでは、運よく契約・納入が終わっても、代金清算が終了しないこともありました。

RIRO方式で時間短縮のむなしさ

現職時代に、FMS修理の長期化が問題となり改善方法として「RIRO方式」が導入されました。

この結果、1年以上の修理期間が2週間で「良品」を入手できるようになりました。

『一体いままでの苦労は何だったんだ!!』

こんな苦労もしていました。

直接購入も用心して行うべきだよ!

「イージスアショア」のレーダー部分については、ロッキードマーティン社から直接購入する方式になりました。

図3 LMSSRレーダー(試作機のLRDR)
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引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DpsTSueWkAACNdb.jpg

『直接商業販売(DCS)』にてレーダーが供給されますが、DCSもなかなか食わせ物の方式です。

米国国務省の輸出許可を経て行うのですが、契約方法ではえらい目に遭います。

DCSですったもんだの「LCAC」

DCSで導入されたもので、えらい目にあった「LCAC」です。

おおすみ型輸送艦の建造時に「LCAC」をDCSで直接購入したことがあります。

建造当時の「LCAC」は、「おおすみ」の「搭載艇(備品)」扱いでした。
(現在「LCAC」は自衛艦船籍になった)

いざ「LCAC」が納入されたとき、建造所及び防衛庁監督官は驚きました。

『LCAC1式納入!付属していたのは1枚の納品書のみ!』
(技術刊行物、操縦マニュアル、整備工具は別料金で頂きます~、なんてことが書いてあった)

図4 LCAC
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/airc/lcac/img/lcac_01l.jpg

「直接購入」の怖いところは、こんなことがまかり通るところです。

「LCAC」導入時の「輸入代理店」は、後に「M事案」で逮捕者が出た会社です。

PBLによる長期契約でしっかり契約してよ!

最近では、「LCAC」のような事案はなくなしました。

しかし、「契約社会」である以上しっかりとサポート契約も含めて「LMSSR」をすべきでしょう!

ホントに「輸入品・FMS物品」については地獄だぜぇ~!

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5 件のコメント

    • キャ二―さん、コメントありがとうございます。
      MH-53EもFMSの功罪が相半ばするものでした・・・
      DCSだったら早期に運用停止になっていたかもしれません。
      FMSのおかげで、部品供給と技術支援が得られました。

  • こういった話を聞くと、「国産より輸入した方がいい」なんて嘘っぱちだ、と思ってしまいます。
     一方、「それは某A省、GA隊が買い物ベタだからだ」なんて言う人もいます。
     実際、輸入して即実戦投入なんてやっているイスラエルなどはどんな調達方法を採用しているのでしょうか?

    • REWさん、コメントありがとうございます。
      「国産」と「輸入」、どちらもメリットデメリットが存在します。
      目的に合わせてどちらを選ぶかですね。
      イスラエル製の物品は、私も取り扱いましたが結構「良いもの」が入手できます。

      調達手法は、イスラエルの会社との直接取引ではなく、商社を仲介して「米国経由」で輸入してます。
      ひと昔前は、「イスラエル」との取引は「口に出すのもご法度」でした。
      ・イスラエル製造会社の「米国支店・米国代理店」と契約(防衛省と契約した商社)
      ・製品自体は、イスラエルから「空輸」「船便」という形です。
      技術刊行物や「訓練支援役務」も基本契約に付随してやってくれるほど、イスラエル側は「ビジネスとして良心的」でしたね。
      米国のFMS・DCSが「ボッタくり」に思えるほどです。

      • お返事ありがとうございました。
         イスラエルはかなり良心的なのですね。これがフランスあたりになってくると、米国とは違った意味でのあざとさというか、非情さがあるようですが。
         米国も即使うことがありそう=実戦データが取れる客相手だと態度が違うかもですね。

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