【艦補処】武器の修理や調達は「いろいろ」面倒だ!

海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい

スポンサーリンク

『だああ!武器って一体なんやねん!!』

艦船補給処武器部にて、装備品の修理調達業務を行う日々は「面倒」との闘いです。

「武器」を扱うため、いろいろ法的制約などが絡む面倒な仕事です。

さらに「輸入品」になるともっと面倒なことも発生します。

「武器とはなにか?」を問う、艦補処武器部のお仕事!

前回の記事。

【艦補処】システム換装で西に東に出張だ!

2019.01.11

「武器」って一体なんだろね?

武器といってもいろいろありますが、わかりやすい例でいえばこんなのですかね?

図1 16式戦闘機動車
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい
引用URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:JGSDF_Type_16_Maneuver_Combat_Vehicle?uselang=ja#/media/File:JGSDF_Type_16.jpg

明かに「武器」と分かる物です。

武器等製造法による「武器」の定義

法律上の「武器」」の規定は、「武器等製造法」(昭和28年法律145号)にて規定されています。

第二条 この法律において「武器」とは、次に掲げる物をいう。
一 銃砲(産業、娯楽、スポーツ又は救命の用に供するものを除く。以下同じ。)
二 銃砲弾(銃砲用のものをいい、発光又は発煙のために使用されるものを含み、クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成二十一年法律第八十五号)第二条第一項に規定するクラスター弾等(次号において「クラスター弾等」という。)を除く。以下同じ。)
三 爆発物(破壊、燃焼若しくは殺傷又は発光若しくは発煙のために使用され、かつ、信管により作用する物であつて、産業、娯楽、スポーツ又は救命の用に供するもの以外のものをいい、銃砲弾、対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成十年法律第百十六号)第二条に規定する対人地雷及びクラスター弾等を除く。以下同じ。)
四 爆発物を投下し、又は発射する機械器具であつて、政令で定めるもの
五 前各号に掲げる物に類する機械器具であつて、政令で定めるもの
六 専ら前各号に掲げる物に使用される部品であつて、政令で定めるもの
引用:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328AC0000000145

スポンサーリンク

簡単に言うと、

『銃砲関係に関わるもの全て』

というのが、「武器」の定義になります。

電子機器でさえ「武器」の扱いになる!

「武器」の規定にかかわると、武器の付属品全部も「武器」となります。

こんな「電子機器」も「武器」となるのです。

図2 電子回路
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/電子回路#/media/File:Intel_8742_153056995.jpg

修理・調達は、法律上許可のある会社のみ!

「武器」に関わる部品の修理・製造は、「武器等製造法」の「製造事業者」のみ実施できます。

最近の部品は、民生品も多くあるのですが「武器製造事業会社」しか修理できません。

ここが、防衛産業での「弱み」になっています。

たまに「防衛産業は特定の会社の独占だ!」なんて批判があります。

しかし、法律上の規定を知らないままの批判です。

けっこう「武器」の修理調達は難しいんですよ~!

 

輸入品の「最終使用証明」は大変だ!

艦補処武器部で修理・調達を行っているとき、一番大変なのは「輸入品」です。

輸入品の部品に関しては、非常に大変な「書類準備」が必要です。

アメリカ製品には「ITAR:国際武器取引規則」!

アメリカ製の輸入部品を、修理のために取り寄せようとすると大変です。

「ITAR:国際武器取引規則」という規則が関わります。

この手続きがややこしい!

必要に応じて「最終使用証明」を自衛隊から出す必要があります。

図3 最終使用証明(画像は関係書式の一部)
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい
引用URL:https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1403853/000119312512287420/g364364dsp7.jpg

「艦船補給処長」のサインが必要で、めんどくさいことが多いです。

ヨーロッパも結構面倒!

「最終使用証明」は、「他の国や紛争地域に転売しませんよ」という書類です。

アメリカのほかにも、諸外国では同様の規制があります。

部品調達でも、欧州製品があったりすると大変です。

例を挙げると、「FCS-2」の「方位盤」のレドームカバーでしょうか?

図3 FCS-2方位盤
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/04/FCS-2-31_on_board_JS_Hayabusa%28PG-824%29_left_front_view_at_Maizuru_Naval_Base_July_27%2C_2014.jpg

照準用レーダーカバーの「レドーム」が輸入品です。
(イタリア「セレニア社(現SELEX社)」の製品)

イタリアはもっと面倒

「セレニア社」のレドームは、海軍艦艇ばかりでなく、陸軍のレーダーで時たま見かける特徴的なレドームです。

図4 SELEXレーダーレドーム
海上自衛隊,艦船補給処,艦補処,武器,修理,調達,手続き,輸入,最終使用証明,めんどい
引用URL:https://www.naval-technology.com/wp-content/uploads/sites/5/2017/09/Commandante_5.jpg

このレドームは、性能が良いので結構各国で使用されています。

しかし「セレニア社(SELEX社)」の特許品なので、修理・調達が面倒なのです。

さらに「イタリア語」と「英語」で「最終使用証明」書類を作る必要があります。

この時ばかりは大変でした。

金が無ええ!修理の現場より・・・

艦船補給処武器部での仕事で一番大変なのは、

『修理調達の金が無ええええ!!!!』

ホントに足りないんです!いつも予算とにらめっこで修理です!

部隊からは「修理要請」がひっきりなしなのに、艦補処には「故障中」の部品が山積み!

古い装備品から新規装備品まで、混合玉石の状態です。

古い装備品の部品修理は、部品調達にも時間が掛かり修理費用も高くなります。

ホントに、修理費用を何とかしてえええ~!!

こちらもご覧ください

【軍事技術】軍艦の亀甲縛り!で行う船体消磁!

2019.01.14

【海上自衛隊】燃料なめてんじゃねーよ(激怒)!!

2018.11.20

【艦補処】後方(兵站)は楽しい「戦争」DA!

2018.10.07

【ロシア】北方領土に対艦ミサイルを増強する真意を見抜け!

2018.06.30

記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

もし記事が気に行って頂けましたら、

↑ブログ主の更新の励みになりますので
上記バナーのクリックをお願い致します!

スポンサーリンク


3 件のコメント

  • 欧米のメーカですと烏合離散というか、合併、分離することが多々ありますが、この場合は各種証明書を全部やり直し、ということになってしまうのでしょうか? それとも「この会社の起源はこちらで」といったことを説明すれば容赦してもらえるのでしょうか?

    • REWさん、コメントありがとうございます。
      基本的には、「契約締結時」の時に取り交わした証明書であればそのまま通用します。
      ただ、各国の契約慣習の細かな違いで再度証明書の発行を求められる場合があります。
      会社が分離した場合は、再度発行となることが多かったです。

      • ペンギンさん、お返事ありがとうございました。
         冷戦が終わってしばらくは烏合離散がすごくて、端から見ている素人でも追いかけるのはタイヘンでしたから、実際の現場は相当な物だったろうと想像します。

  • REW にコメントする コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>