【韓国レーダー照射】技術的視点から首謀者を推測する。

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『誰が実施したか?艦長等の関与があったか?』

事件が収束しない、韓国駆逐艦「広開土大王(KDX-1)」のFCレーダー照射事件!

今回誰が行ったのか?艦長等が関与したのか?なかなか話がもつれています。

ここで「密室」であり、操作を行った「CIC」で何が行われたか技術的視点から犯人を推測!

「秘密」のベールの中で、「CIC」が何をやらかしたのか!

前回記事

【韓国レーダー照射】彼らは「ルビコン川」を渡ってしまった。

2018.12.22

序論:FCレーダー照射は、通常勝手にできない

最初の前提条件として、

『軍艦が指揮命令無しに、勝手に外国機へのFCレーダー照射はあり得ない』

という条件を最初に強調しておきます。

「軍艦」として当然のことであり、指揮管制機能が働かないということは通常あり得ません。

もし「指揮管制機能」が働いていないのであれば、「軍艦」とは言えません。

しかし、現実には

『海上自衛隊哨戒機「P-1」に対し、韓国駆逐艦から複数回・一定時間照射を受けた』

という事実が存在します。(防衛省発表)

図1 レーダー照射した韓国駆逐艦
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引用URL:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/21g-1.jpg

韓国側は「FCレーダー照射」の事実はないと反論

韓国側は、

『海上捜索救難中、FCレーダーも使用して捜索していた』
『FCレーダーを「P-1」に照射せず、EO(光学カメラ)で確認していた』

との反論をしています。

日韓双方の対立は、続いたままとなっています。

今後証拠などについては、水面下での「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)」で協議されるでしょう。
(電子情報などは、機密性が高いため、非公表となりやすい)

結果は公表されずに、事件の収束が図られるかも・・・

機器を操作した「CIC」の中では何が起きていたのか?

日韓双方の主張は、発生した事象が書かれています。

しかし、FCレーダーを操作する「CIC」の動きについて韓国側は触れていません。

むろん、「CIC」内部の動きは「秘密」があるため公表しにくい部分があります。

ここに、問題の核心があると考えてみます。

視点を変えて「技術的観点」から事件推移を考察

「秘密」のカーテンが敷かれており、水掛け論になり始めている事件です。

ここは、視点を変えて「技術的視点」から事件の核心を推測してみたいと思います。

実のところ、西側各国の「CIC」の運用は、NATO方式で統一されています。

公表されている「CIC」の「戦闘指揮システム」の運用方法は、日韓とも同じです。

CICの機器・「戦闘指揮システム」ドクトリンから、何が起きたのか推測可能です。

「船務士」としてCIC勤務を経験し、艦発隊で「戦闘指揮システム」を学んだ「ペンギン」の推測です。

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韓国海軍駆逐艦の「艦艇戦闘システム」について

韓国駆逐艦「KDX-1」に搭載されている「艦艇戦闘指揮システム」について確認しましょう。

「KDX-1」には「SSCS-MK7」システムが搭載されています。

図2 SSCS-MK7システム概略図
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引用URL:https://image01.seesaawiki.jp/t/v/taekwon_v/802edd56e488a088.JPG

システムは、英国bae社の「SSCS(Surface Ship Combat System)」を韓国国内でライセンス生産したものです。

このシステム内に、仏タレス(旧シグナ―ル)社の武器統制システムが組み込まれています。

海上自衛隊でいえば「CDS(戦闘指揮システム)」に該当するものです。

システム的には「あさぎり型」に相似

KDX-1の艦艇戦闘システムは、海上自衛隊護衛艦では「あさぎり型」のCDSに似ています。
(OYQ-6,OYQ-7システムと同等、一部C2LAN・SM-2連接など独自化)

NATOコンセプトに従い、システム化による目標識別・評価・攻撃指揮を行います。

艦艇戦闘システムの基本機能

艦艇戦闘システムの基本機能は、大きく分けて4つあります。

  • 目標管理
  • 脅威評価
  • 攻撃指揮
  • 射撃指揮

さらに、細かくシステムと一連のシーケンスを図式にしてみます。

図3 艦艇戦闘システムの概念
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システム戦闘は多くのオペレーターがいる

対空・対水上戦闘に関して、いくつかのオペレータ―が介在します。

  • 対空目標追尾員   (AD/T)
  • 水上目標追尾員   (SD/T)
  • 追尾管理員     (TRK/SUP) (目標識別・ESM管制)
  • 戦術評定/武器管制員(EVAL/SWC)(攻撃指揮全般)
  • 射撃指揮管制官   (DAC) (FCS指向/砲管制)
  • ミサイル管制官   (WAC) (FCS指向/SAM管制)
  • 武器発射管制官   (WCP) (武器の発射)

この中で(EVAL/SWC)が、艦長から「戦闘指揮権限」を委任された最上位者です。
(海上自衛隊では「哨戒長(TAO)」と呼び、船務長・砲雷長等が付きます)

今回目標となった、哨戒機「P-1」の場合は対空戦となります。

その場合、最低4人以上が「CIC」内で「FCレーダー照射」に関与した可能性があります。

図4 KDX-1の戦闘システム序列図
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最悪「1名」で「FCレーダ―照射」が可能!

「通常の場合」という前置きをしておくと、

『1名の暴走でFCレーダー照射は不可能』

とまず最初に言っておきます。

理由として、各員が異なるコンソールで作業をするためです。

図5 KDX-1のWCS及びSSCSコンソール(英海軍)
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引用URL:https://external-preview.redd.it/czTYMyG0hblZHMsGxWpz5-X3c1Vv6aXrcN_1QXHJ7UE.jpg?auto=webp&s=93c831a846f71918c1dde04c843ed96f2532acd8
    http://www.mdc.idv.tw/mdc/navy/royalnavy/sscs-mockup.jpg

しかし、前提条件なしに技術的視点で話をすると、

『1名でEVAL・SWC・DAC・WAC操作を行い、FCレーダー照射は可能』

と言え、システムに習熟した人間であれば、『30秒以内』に一連の動作はできます!
(私も「船務士」にこのやり方を習った:NATOシステム上可能にしてある)

ただし、「上位者がコントロール介入しない」という前提条件が必要です。

「密室のCIC」の情報が出てこないのは、上記のことが起きていたからかも?

「軍艦」の指揮管制能力を疑われる事態ですので、韓国側が隠ぺいしたい真実かもしれません。

「味方」判定のまま、複数回FCS指向操作を行った

防衛省発表の中に「複数回・一定時間照射があった」との記述があります。

この記述を戦闘システムの技術的視点から見ると、

『CICでは、P-1哨戒機を「味方」と判定』
『「味方」のシンボルに、ロックオン操作を実施』
(システム上、味方にロックオンを「強行」する操作方法がある)

というようなことが、駆逐艦の中で行われたと考えられます。

ここで、「戦闘システム」のコンピューターが「味方」への「ロックオン」をキャンセルしたと考えられます。
(誤射防止のため、一定時間「味方」をロックすると自動的にロックが外れる)

しかし、CIC内でさらにシステムの「介入」を排除して、

『P-1哨戒機へのロックオン操作を複数回実施』

したのではないかと、技術的視点から考えられます。

艦長はどこにいたのか?

今回、もう一つの疑問は「艦長はどこにいたのか?」ということです。

事象発生時に、艦長がいた場所(艦橋?CIC?)で問題が異なります。

CICにいたのなら「国家レベルの意志!」

想像したくはありませんが、艦長が「CIC」にいたと仮定します。

これは完全に「国家(韓国大統領府)の意志」として、「故意」にFCレーダー照射を行ったことになります。
(最悪のことも考えて、あえて可能性として列挙)

艦橋で「ロックオン」に気付き、艦長がレーダーカットした

現実的な線として、艦長は「艦橋」にいて捜索救難を指揮しており

『艦橋のレーダーで、ロックオンに気付き艦長操作でレーダー停止した』

というのが、常識的に考えられる線です。

その後、事態収束のため海自機からの無線呼び出しを「無視」したと考えられます。
(電波情報などは、捉えられていないと思考したかも?)

いずれにしても、詳細な調査を要求することで問題が判明するでしょう。

 

結論:艦長の処分要求とCIC内部の詳細調査を求めよ!

いずれにしても、艦長の責任は免れることはできません。

「海軍」の作法に倣い、艦長の処分要求を日本側から求めるべきでしょう。

さらに、CIC内部で何が起きていたのか詳細調査と結果公表要求が妥当です。

想定される事象の詳細は、

『一部の下士官・若手士官が暴走して、脅しのつもりでFCレーダーを照射した』
『艦長は、P-1の追尾監視を命じたが命令不徹底により、ロックオンになった』
『海自機からの問合わせに、電波不良で「無視」することにした』

といったところでしょうか?

今後の調査が待たれます。

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9 件のコメント

    • キャ二―さん、コメントありがとうございます。
      韓国政府は、こんなに日本から反発されると思わずに行動していたのだと思います。
      後は、GSOMIAで秘密裏に処理され、表向きうやむやのまま終わるでしょう。

      • (今の韓国政府は)本当に関係者の処罰を
        ウヤムヤにするかもしれません
        (仮に処罰した事がバレたら、韓国国民の猛反発が予想されますし)

  • 部外者にはわかりにくいCICの詳細が凄く参考になりました。
    さて、小生の推理ですが、ターゲティング「意思決定」の当事者として思いつくまま列挙してみると、、、
    1 大統領
    2 海軍の上級作戦指揮所
    3 海軍の中級/下級作戦指揮所
    4 艦長
    5 CIC勤務者(幹部)
    6 CIC勤務者(オペレーター)

    事案経過の時間的要素を考慮すると、上記1と2は物理的にないと見て、3の可能性は低い。 
    正当な統制の手順通りなら、4の艦長による判断というのが可能性としては普通にありそう。
    5は何らかの内部規則に違反しているはずだし、6は明らかな軍刑法違反で処罰されるケースで、艦長を含めた上官も連座で処罰されるはず。記事にもあるように、オペが共謀して士官の指示に従わないという可能性は極めて低い。
    小生は艦艇のことはまったく知りませんが、それを承知で大胆に推理してみると、、、、

    艦長「おい、あのチョッパリのパトロール、ウザいな、、ちょっと脅かしてやれや」

    CIC長「それは、ちょっとまずいんじゃないでしょうか?」

    艦長「ケンチャナヨ! すぐにやれや」

    CIC長「アラッスムニダ!」

    な~んていう会話があったのかなと夢想してます。

    • 通行人さん、コメントありがとうございます。
      なかなか分かり難いCIC内部の流れを、記事にするのに苦労しましたが、何とか伝わったようで安心しました。
      今回、韓国駆逐艦CIC内部の詳細情報が、事象解明のカギと考えています。
      今後何が出るかが楽しみなところです。

  • タレス社の戦闘管理システムCMSのTACTICOSのPDFをみたら広開土王級に使われてるようなのですが、sscs-mk7が使われてるという情報は公式の情報ですか?
    素人なので間違いがあったらごめんなさい。

    • おすぎのはりまやさん、初めまして、コメントありがとうございます。
      少し表現が分かり難いい部分がありました。
      正確には「Bea社のsscs-mk7をベースにしたシステム」という表現が正しいですね。
      Baeサムスン社が「sscs-mk7」をライセンス生産(実質sscs-mk7)して搭載しています。
      これは、
      Bae社韓国向け紹介スライド:https://slideplayer.com/slide/11954538/
      韓国国防研究院(KIDA)1996年7月26日発行第645号(ハングルPDF):www.kida.re.kr/cmm/viewBoardImageFile.do?idx=12520

      により、搭載が確認できます。
      韓国海軍のCIC機器情報って、なかなか出てこないので捜索が難しいですよね。

      • ペンギンさん、返信ありがとうございます。

        いろいろ調べてみたのですがどうにも

        サムスン製sscs-mk7
        ↓アップグレード
        タレスのTACTICOS or サムスンタレスのnaval shield
        ↓アップグレード
        ハンファ(旧サムスンタレス)のnaval shield

        なのかなー?って感じでした。
        どこの会社も自分の会社の技術が基礎になってると主張してるので、技術的なことはよく分からないです。

        調べるのが楽しくて、それ自体が僕の目的になってて重箱のすみな話になっちゃいました。

        またお話させてもらえる機会がありましたら、ご都合よろしければお願いいたします。

        では。

        • ごめんなさいペンギンさん、訂正します。

          naval shieldが広開土大王に使われてるという公式な情報はなかったです。

          タレス社のTACTICOSのPDFに広開土大王級で採用されたような図があるのですが、タレス社以外のメディアはあんまり認めてません。

          タレス社の2016年のレポートに9月にkdx駆逐艦のタレス社のシステムをアップグレードしたと書いてるのですが、11月の他の報道でCIWSゴールキーパーの改修をしたとされていて、これのことかもわからない感じです。

          ご査収くださいませ。

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