【幕僚編完】統合演習終了!浮上する海自の課題!

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『なんちゃって後方幕僚も終了!』

自衛隊統合演習が終了して、所定目標を達成したJTF「演習部」!

演習終了後、すぐに事後研究会にて問題の洗い出しを行います。

浮上する問題は、中期防などの防衛政策に反映されるため大事な作業です。

それでは、長く続いた「後方幕僚編」完結です!

前回までの記事。

【幕僚編⑩】敵水上艦撃滅!SSNの反撃!任務目標達成!

2018.12.14

統合演習の「事後研究会」は問題噴出の時間!

自衛隊統合演習終了後、数時間の休憩をとってからすぐに「事後研究会」が開始されます。

各員の記憶が鮮明な間に「事後研究」を行う「HOT WASH UP」というやり方で行われます。
(米海軍の目標管理・状況分析手法に倣った方式です)

しかしSF司令部の「事後研究会」は、毎回『荒れる』ことで有名です。
(指揮官経験のある1佐が、壇上で怒鳴られまくるのは毎回のお約束)

「敵X国」総指揮官は『海上自衛隊幹部学校長』!

事後研究会には、「敵X国」を兼任した「統裁部(審判)」が加わり会議が行われます。

開戦当初から、(イジワルな)数々の行動をしてくれやがった「統裁部」はどんな「悪人」が指揮していたのでしょう?

『そのイジワルな顔を拝んでやるぜ!』

そう息巻いていた「ペンギン」でしたが、「統裁官」の顔を見て驚きました。

図1 驚愕する「ペンギン」
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引用URL:https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/CAT9V9A9181_TP_V.jpg

統裁官は、どこかで見たことある人だと思ったら『海上自衛隊幹部学校長(海将)』!

ついでに言うと、「ペンギン」が「幹部候補生」だったころの「幹部候補生学校長」でした・・・

『おうおうペンギン、統裁官に文句言ってやるって息巻いてなかったか~?』

「統裁部」いた後方幕僚部の先輩が、茶化してきますがそれどころじゃね~!

演習経過リプレイに「演習部」は阿鼻叫喚!

事後研究会は、演習経過の再生と、「統裁部」がここで何を判断・行動したのかを突き合わせて検証します。

演習経過が進むにつれて、「演習部」の幕僚たちは阿鼻叫喚の状態になっていきます。

『ぎょえ~!ここに配置してたのかよ!』『なんじゃこりゃ~!』

「演習部」の行動が、「統裁部」によって弄ばれる様子が投影されます。

「攻撃側」は、フリーハンドで行動できるというのがよくわかります。

やはり連携攻撃作戦だったか・・・!

「演習部」の幕僚間で、判断しかねていた事項がありました。

『「BMD攻撃」と「ゲリ・コマ」によるSF司令部攻撃が連携していた可能性』

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2018.10.24

事後研究会で、やはり「統裁部」による連携作戦だったことが判明しました。

かなりやってくれるぜ!

「敵SSN失探」情報を全員が見逃すという大失態!

事後研究会で、「演習部」幕僚全員がとんでもない大失態を起こしていたことが判明しました。

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SFへの「ゲリ・コマ」攻撃で通信機能が低下しているときに、

『CTF70から「敵SSN失探(ロストコンタクト)」情報が入っていた』

という、重大な情報を「演習部」全員が見逃していたことが判明しました。
(MOFシステムの情報入電ログには記録されていた)

図2 「アレ?俺の存在忘れられてない?」(敵SSNを模擬した米SSN)
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引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bb/US_Navy_040730-N-1234E-002_PCU_Virginia_%28SSN_774%29_returns_to_the_General_Dynamics_Electric_Boat_shipyard.jpg/300px-US_Navy_040730-N-1234E-002_PCU_Virginia_%28SSN_774%29_returns_to_the_General_Dynamics_Electric_Boat_shipyard.jpg

 

SF司令部攻撃で、「演習部」がパニック状態の中で、全員が「敵SSN」への注意が向いていなかったのです。

『SSNの位置確認を怠るのは、幕僚要務の重大な要改善点である!』

演習統裁官からの厳しい指摘が飛びます。

「敵SSN失探情報」に気づかないまま、

「演習部」が「重大な判断ミス(敵SSNはCTF70の近くにいる)」

をもとに「情勢判断」を行い、攻撃を続行していたのです!

結果として、「第1次対艦総攻撃」にて「TG21.1」を壊滅させる結果となりました。

その後も「敵SSN」を捕捉できないまま「CTF70」も被攻撃され、最後まで「敵SSN」撃沈に至りませんでした。

「演習部」には70人近くの幕僚がいたはずなのに、全員が気付かないという恐ろしい「群衆心理」をまざまざと見せつけられました。

各種戦闘・作戦準備をめぐり大激論!

演習経過の進捗と共に、各種戦闘・作戦準備にて問題点が続出しました。

横須賀陸警隊の技量不足と陸自守備隊連携不徹底

問題になったのは、横須賀地区での警備体制でした。

当時、横須賀警備隊隷下の「横須賀陸警隊」は、64式小銃装備でした。

図3 演習当時の陸警隊の装備風景(当時の装備)
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市街地戦の研究も進んではいたのですが、演習では「陸警隊全滅」判定となりました。

単純に言えば、「ゲリ・コマ」対処技量の不足がありました。

さらに、増援の陸自守備隊との連携が不徹底となり、陸自守備隊の「弾薬不足」に補給ができない問題が出てきました。

対策として、「陸警隊に89式自動小銃配備」「市街地戦闘訓練の徹底」という「課題」が出ました。

図4 横須賀陸警隊の市街地戦闘訓練
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/butai/img/y-agg/y-agg2.jpg

対空・対艦ミサイル「即応弾」の不足

演習の中で、大きく問題視されたのが「即応弾ミサイルの不足」です。

図5 対艦ミサイル
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意外に思うかもしれませんが、ミサイルは「即応弾」にしないと発射できません。

ミサイルの備蓄はあるのですが、発射できるようにするには整備時間が必要です。

図6 対艦ミサイルの整備
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「弾薬庫の拡張」「整備済み即応弾備蓄量の増加」が課題として出されました。

輸送能力の不足

海上自衛隊の宿命というべき問題として、「輸送能力の不足」が課題として出ました。

今回の演習では、「おおすみ型輸送艦」1隻と空自輸送機「CH-130H」を使用しました。

これでは、陸自1個中隊戦闘団を輸送するのが精一杯です。
(当時、海自航空輸送機は「YS-11」のみ)

将来的に「Wair」の増強が行われるときに、輸送・補給能力の不足が懸念されます。

大型の輸送補給を行える艦が欲しいとの見解が、陸自からも出され、現在構想に挙がっている「多用途輸送艦」の計画につながって行きました。

指揮統制と共同交戦能力について

離島奪還については、陸自との共同作戦が不可欠になり、BMD対処で空自との指揮管制についても重要になります。

演習当時は「COP(共通作戦図)」が司令部レベルでは可能でした。

しかし米軍は既に「CEC(共同交戦能力)」まで指揮統制システムが進化していました。

図7 海上自衛隊の指揮通信システム
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/frdc/whatsnew/csc/mars.files/image002.png

最近になり、ようやく「CEC」まで指揮管制システムが進化しはじめました。

陸自との通信に、四苦八苦していた当時の演習からは進化したといってよいと思います。

自衛隊統合演習にて出された「課題」は「中期防」に装備品として反映されます。

勤務の糧となった「後方幕僚」体験

海上自衛隊勤務時代に「幕僚」を体験できたことは、非常に有意義でした。

その後の勤務の糧となり、いろんな仕事で経験を反映させ、中級課程での訓練に役立ちました。

1週間という時間でしたがとても濃密な時間で、これが海上自衛隊だ!」というべき体験です。

SF司令部の「指揮所」は、機密レベルが高く写真が公開されたことがありません。

「ひゅうが」型のFIC(旗艦司令部作戦室)を何倍も大きくしたような部屋です。

図8 「ひゅうが」FIC
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いつか写真で公開される日が来るのを待っています。

さあ、艦補処の仕事に戻るぞ~!

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2 件のコメント

  • どちらかと言うと、玄人向けの指揮幕僚活動に関する短期連載お疲れさまでした。
    ご存知のように、陸海空は「言語」「文化」「気質」などバラバラ、、、時間感覚とかも随分と違います。統合作戦での幕僚活動は大変な作業だと想像します。
    実戦となれば、指揮所では仮眠を取りながら実質的には不眠不休の体力勝負となるのでしょうが、米軍並とは言いませんが、なんとか人員を増やせないものかと思います。 例えば、横須賀だったら、有事の際は防衛大学校の学生を司令部に配置して、コピー取りなどの雑務専門で使うとか、、、そういうのもアリだとは思います。

    • 通行人さま、コメントありがとうございます。
      なかなか紹介する機会のない「指揮幕僚」の内情を描写してみました。
      1週間ほどの活動でしたが、最後の方は結構疲れが出てくる状況です。
      統合運用が始まったころの、自衛隊統合運用で最も苦労したのが「言葉」の違いです。
      最近はずいぶん「言語統一」がされたと、SF幕僚を経験した同期から聞きました。
      雑務も多いですが、やはり司令部幕僚活動だと「1尉以上」の人間でないと混乱するそうです。
      有事の際は「中級学生(1尉)」「CS学生(1尉~3佐)」を各司令部に配置するそうです。
      (自衛隊演習中は「CS学生(1尉~3佐)」が、各艦の「統裁部要員」として乗組しています)

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