【幕僚編⑤】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬

スポンサーリンク

『闘いは前線だけじゃない、司令部でも起きているんだ!』

演習が始まり、敵X国の攻勢に苦闘し続けるJTF!

敵は2正面作戦を意図しているか?米軍との衝突を避けているのか?

戦況の混迷と、混乱する中で情勢判断を行い、敵の「真の意図」を見抜く必要があります。

反撃作戦のため、敵意図を探り作戦立案を行う幕僚達の闘いをご紹介!

前回までの記事。

【幕僚編④】BMD演習発動!さらに窮地でSFまで・・・

2018.10.24

【幕僚編③】演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!!

2018.10.21

【幕僚編②】実動演習事前準備!任務「離島奪還」作戦!

2018.10.16

【艦補処】自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)

2018.10.13

敵X国の意図・反撃目標の方針を見つけよ!

敵X国の攻勢が、一段落して「2正面作戦」の様相を呈してきた演習です。

しかし、敵X国の行動に「不審な点」を指摘するSF司令官の「指揮官意図」が示されました。

敵X国は、本当に「2正面作戦」を「意図」しているのか?

司令部では「情勢判断」を行い、判断結果から反撃作戦を計画していきます。

まずは、「彼我(敵と味方)の行動結果」を列挙して、情報再整理をします。

現在までの情勢結果

「情勢判断」を行うとき、幕僚要務として「現在までの行動結果」を列挙して行きます。

この作業は、幕僚として「見落とし」が無いように書き出していきます。

敵X国の行動

  • 「離島」の占拠を継続
  • 水上部隊、SS(潜水艦)部隊が展開
  • 沖縄への航空攻撃・九州への弾道ミサイル発射
  • 在日米軍基地への直接攻撃は未実施
 我(JTF)の行動

  • 最初の目標「離島」を占拠された状態
  • 沖縄への航空攻撃により、沖縄地上部隊が孤立状態
  • 弾道ミサイルにより、九州からの航空作戦能力減衰
  • 沖縄救出・「離島」奪還の「2正面作戦」を強いられる可能性
  • 沖縄もしくは「離島」への「奪還部隊」目標選定必要性あり
 米軍の行動

  • 沖縄の米空軍は、制空戦闘に参加
  • 米海兵隊「31MEU」は、沖縄に健在
  • CTG76(佐世保)の揚陸艦は無事であり、沖縄に弾薬輸送を希望
  • CTF70は、小笠原列島東側に健在・敵SSの存在により西進阻害

 

現在の位置関係

図1 演習時の位置関係(仮想)
海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬
引用URL:http://www.gsi.go.jp/common/000087768.jpg

敵X国の意図

これらの行動情報から、敵の意図を推察していきます。

 敵X国の可能行動と意図

  • 敵X国は「2正面作戦」を、我(JTF)に強要する意図を作為
  • 敵X国は米軍の全面介入を避けつつ、JTFと米軍CTF70を地理的に隔離
  • 「2正面作戦」は、敵X国の「真の意図」を隠す布陣
  • 敵X国の「真の意図」は、『沖縄~離島間でのJTF挟撃撃破』
  • 米国の本格介入前に、作戦を終了させる意図

スポンサーリンク

このように、「敵の意図」を導きだし、我(JTF)の作戦立案に役立てます。

我(JTF)の行動方針

敵の意図を導きだした後、我(JTF)の行動方針と作戦方針を導き出します。

 我(JTF)の可能行動・行動方針

  • 主任務は「離島奪還」であることを再確認
  • 沖縄部隊の救出を、米軍CTF76と共同で「部分作戦」として実施
  • 敵SSの脅威を排除して、JTFとCTF70を合流、「離島」東側より奪還作戦実施
  • 作戦の「前線集結・補給拠点」を「硫黄島」に決定
  • 硫黄島への部隊集結行動により、敵水上部隊を誘因・分離撃破

我(JTF)の作戦目標

これらの「情勢判断」により、JTFは次の作戦目標を決定します。

 我(JTF)の作戦目標

  • 敵に対し、「逆2正面作戦」を強要
    (沖縄救出を作為、さらにCTF70との合流を作為して、敵水上部隊を分離・各個撃破)
  • 「離島奪還」の為に「硫黄島」に部隊・作戦資材を集結
    (敵SS部隊を誘因・撃破して、米軍西進を可能にする)
  • 「離島奪還」は東側より、米軍CTF70と共同で実施
    (米軍CTF70との合流により、補給面の増強を行う)

 

弾薬を輸送せよ!「後方の妙」を見せるとき!

JTFの行動方針が決定いたしましたが、ここからさらに作戦計画の詳細を立案します。

「S-3(作戦)部門」が作戦を立案しますが、ここに「S-4(後方)部門」が、いかにして現実的な補給計画を用意できるか後方幕僚の手腕が問われます。

『後方活動範囲の限界が、作戦活動の限界点』

立派な作戦を立てても、「後方」の活動限界を無視していては、作戦が成り立ちません。

水上艦用対艦対空ミサイルを集積せよ!

後方幕僚部には、重要な役目が出てきました。

『水上艦の対艦対空ミサイルの再補給弾薬を硫黄島に集積』

作戦立案に伴い、いろんな分析が行われます。

その中で『作戦分析幕僚部(S-9)』と呼ばれる、「軍事OR」による分析を行う部門があります。

軍事ORについて
OR:オペレーションズ・リサーチのこと
数学的・統計モデル等を用いて、計画の効率的決定を行う科学的手法
引用文献:『軍事OR入門: 情報化時代の戦闘の科学』(飯田耕司著)

軍事ORの「S-9」部門から提出された、作戦分析の結果

作戦分析結果

  • 硫黄島集結までに、2~3回の水上艦部隊の海戦・防空戦闘事象発生
  • 3個TGを運用することにより、対艦攻撃・防空戦闘にてより多数の弾薬を消費
  • 硫黄島集結時、再補給をしなければ離島奪還戦闘にてJTF側に弾薬不足が発生

という結果が提出されました。

これに基づき、備蓄ミサイルの輸送を計画することになります。

対艦ミサイルが足りない!

後方幕僚部で輸送計画を立てたときに、ある問題が発生します。

『所要の対艦ミサイルが、必要分だけすぐに確保できない!』

対艦ミサイルといってもいろいろあります。

図2 対艦ミサイルいろいろ
海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬
海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/pg/hayabusa/img/main_825.jpg
https://www.mhi.com/jp/company/location/nagoyaguidew/history/images/index_pic_012.png

対艦ミサイルといっても、いろいろあります。

この中で「RGM-84ハープーン」「SSM-1B(90式艦対艦ミサイル)」などが、水上艦で使用します。

『航空用対艦ミサイルをすぐに水上艦に乗せればいいじゃないか!』

そんなことを思う方もいるかと思います。

実際可能なことは可能ですが、簡単には実施できません!

陸自の「対艦ミサイル」を、すぐに水上艦に乗せられるというわけでもありません。

さらに「奪還部隊」の陸自の補給物品も輸送する必要があります。

海自輸送艦では、陸自部隊輸送に四苦八苦する状態です。

以前の記事で、「補給艦が足りない~!」と書いた記事を実感する状態です。

関連記事

【海上自衛隊】空母より強襲揚陸艦が欲しいのが現場の本音!

2017.04.25

 

対艦ミサイルをたくさん撃ち込む必要あり!

敵水上艦に対して、対艦ミサイル1発だけで撃破できるわけではありません。

1隻に対して「複数発」射撃をして、ようやく「撃破」できます。
(敵艦からの迎撃を考慮して、撃破には複数発の発射が必要)

色々、時間的制約などを考慮した結果

『所要の少ない水上部隊から、対艦ミサイルの一部を引き抜く!』

という荒業に出ました。

時間的余裕があれば、ミサイルを増やすこともできますが、時間優先です!

 

『C-130Hを3機貸してください!!』

何とか弾薬を確保したところで、今度は「輸送手段」の問題です。

当時、海自は「C-130R」導入前でした。(当時、海自輸送機は「YS-11」のみ)

複数の「対艦ミサイル」を、短時間で大量に輸送するには「空輸」しかありません。

ということで、SF司令部に派遣されている空自連絡官のところに駆け込み、

S-4 ペンギン

『C-130Hを3機ほど貸して下さい!(はよ貸せやぁあああ!!)』

図3 空自C-130H
海上自衛隊,統合演習,自衛艦隊,SF,司令部,後方幕僚,JTF,情勢判断,作戦立案,敵,意図,弾薬
引用URL:http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/yusouki/C-130H/images/gallery/photo03.jpg

何とか(交渉?乱闘?)の末に、C-130H輸送機が3機派遣されることに!

この時「海自にもC-130Hぐらいの輸送機があれば・・・」と思いました。

何とか、反撃作戦の計画は整った!次は行動開始だ~!

こちらもご覧ください

【韓国】佐世保で日米韓「旗問題」第2ラウンド開始か?!

2018.10.18

【世界情勢】ロシアから最高機密の写真が流失?!

2018.10.10

【艦発隊】自隊警備訓練!空挺レンジャーってSUGEEEE!!!

2018.07.16

【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関与する研究について

2018.06.02

記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

もし記事が気に行って頂けましたら、

↑ブログ主の更新の励みになりますので
上記バナーのクリックをお願い致します!

スポンサーリンク


4 件のコメント

  • コウシンオツカレサマドスエ(忍殺並の感想
    空輸にかんしては2014年にC130Rを海自向けに新古品で6機購入してますので多少は改善してますな

    輸送に関しては冷戦期だと最悪掃海艇まで動員して部隊を本土から北海道に持ってくとか
    噂があったあたりいつの時代も苦労してるようで……

  • 明確な記述はありませんが、文脈から察すると、航空優勢は我にあると見て良さそうですね。
    弾道ミサイルは通常弾頭なら、BDAはそれほどでもなく、被害復旧も数時間でなんとかなるはず。飽和攻撃はむしろ心理的効果の方が大きい。
    となると、すでにX国の水上艦艇は空自のASMだけでも対処可能と見ます。幸い三沢は攻撃対象から外れているので、3WGは無傷。結局、硫黄島のSSMに出番はないか。
    離島のX国部隊は孤立無援で全面降伏、、JTFは有力な敵に遭遇することもなく無血奪還かな?
    我のASW能力から見て、隙はまったくなし。

    となればいいんですが、、そうはいかないのでしょう、、

    • コメントありがとうございます。
      無血奪還となればいいのですが・・・『ところがどっこい!』
      ここから、シミュレーションとOR分析も交えて、さらにスゴイ状況になります・・・

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>