【艦補処】艦船補給処着任!装備と補給の両立は大変だ!

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『艦船補給処にて技術と経理補給の技量が問われる!』

艦艇開発隊を離任して、次の勤務場所である「艦船補給処」に着任いたしました。

「艦船補給処」は、全国の部隊に対する「艦艇等」の補給機関としての任務を持っています。

「艦艇等」が全力を発揮できるように、各造修補給所と連携しています。

あまり知られていない「艦船補給処」での仕事は大変だ!

前回の記事。

【艦発隊】転勤の内示が来たよ~ってどこに行くんじゃあ?!

2018.08.17

造修補給所と艦船補給処は何が違うの?

「海上自衛隊艦船補給処(SSD)」の存在は、あまり知られていません。

図1 艦船補給処エンブレム
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/ssd/home/images/ssd_mark4.png

海上自衛隊の艦艇等の支援では「造修補給所」が艦艇との窓口になります。

業務が似ているようで、違う組織です。

「造修補給所」は「地方隊」の「部隊」!

海上自衛隊には、5つの「造修補給所」が存在します。
(大湊・横須賀・舞鶴・呉・佐世保)

図2 大湊造修補給所エンブレム
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引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/sosiki01.gif

造修補給所は、各地方総監部所属の「部隊」として、在籍艦艇の整備補給支援を行います。

「弾薬整備補給所」も同様に、各地方総監部に所属する「部隊」です。

艦船補給処は「需給統制機関」!

艦船補給処の最大の特徴は「需給統制機関」として「補給本部」の隷下にあります。

1998年(平成10年)に「補給所」が改編されて新設された組織です。

「需給統制機関」とは?
装備品等について、需要と供給の統制を効果的に行うために、
在庫状況の把握・所要数量の決定・管理換等の量的な統制業務及び物品番号付与等の
基礎的業務を行う機関

各造修補給所に対して「物品等」の管理権限があっても、「指揮権」がありません。

そのため、物品補給では「業務調整」」という形で行われます。

『A造修補給所にある物品を、B造修補給所に「管理替え」する』

これが大きな役目です。

「統制品目」という分類

海上自衛隊において、物品等に「統制品目」という補給上の管制区分があります。

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  • 海幕統制品目
  • 補給本部統制品目
  • 補給処統制品目(艦船・航空)
  • 造修補給所統制品目(地方統制品目)

これらの区分により、調達・整備を所掌する区分が細かく決められています。

そのため、勝手に上位統制品を調達・修理・配分することはできません。

造修補給所は「造修補給所統制品目」のみ、調達整備ができます。

「補給処統制品目」が欲しい時は、「補給処」に請求をすることになります。

ここの「統制品目」は結構分かり難いところがあるため、図解で提示してみたいと思います。

図3 「需給統制品目」で見た武器について
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引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcR1nqscaGSR6X-7dr17CJ9J-2c6yAMjJWtXIFa-HgALJGKEcnyvPA

「統制品目」の視点で、装備品を見ると、いろいろと入り乱れています。

これが「補給」と「装備」の難しさです。

武器整備課の仕事は大変だぜ!

武器整備課の仕事は、「艦補処統制品目」の部品類などを調達・整備するのが仕事です。

また、「武器補給課」と連携して、部品等の請求に対する手配をしたりします。

一概に「部品」といっても、千差万別に物品があります。

調達では「調達仕様書」を作り、「原価計算」による「入札予定価格」を計算したりします。

調達・原価計算表は大変だ!

装備品の調達には、「原価計算方式」が使われる場合があります。

理由として、一般市場にて発売されない「防衛装備品」の場合、通常の価格計算が適用できないからです。

「原価計算課」がありますが、ダブルチェックの意味もあり要求元からも「原価計算表」による「予定価格」を算出して、調達要求を行います。

図4 原価計算方式図
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引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTyxxJokqbE-O29iR3kbRmxTA4toQxxA4d7IV6SEkid94i015hj

「予定価格」の算出は、結構難しいところがあります。

高すぎてもダメ・安すぎてもダメというもので、「原価計算」には非常に気を使いました。

ちょっとでも、変な計算価格で提出しようものなら「原価計算課」から「カミナリ」を落とされます。

『一番恥ずかしいことは、「予定価格の計算ミス」による入札不調だぞ(怒)!!』

当時の「原価計算課長」を含めた原価計算課の皆様に鍛えられました・・・

米軍絡みの修理は大変だ!

艦船補給処での苦労は、米軍や補給本部・海幕・防衛省ともやり取りすることがあり、米国の物品が絡むと複雑です。

図5 UYK-44(米国の軍事用コンピューター)
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引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/80/%D0%9C%D0%B8%D0%BD%D0%B8%D0%BA%D0%BE%D0%BC%D0%BF%D1%8C%D1%8E%D1%82%D0%B5%D1%80_UYK-44.png/280px-%D0%9C%D0%B8%D0%BD%D0%B8%D0%BA%D0%BE%D0%BC%D0%BF%D1%8C%D1%8E%D1%82%D0%B5%D1%80_UYK-44.png

修理は日本の会社で実施できますが、本体ごと交換する場合などで、米軍との調整に苦労します。

そのため、よく海幕・防衛省に行くことがありました。その経験が、防衛省出向後に役立ちました。

関係項目としてこちらもご覧ください。

【自衛隊】海自から防衛省に出向したら世界が変わった(笑)

2016.02.22

米軍がらみのFMSに悩まされる日々です。

当直士官は「専決」を任される重大任務!

艦船補給処の仕事では「当直士官」としても仕事をします。

課業時間中は、各部署で「物品」の「管理替」の判断を「部長専決事項」として行います。
(「管理替」の権限者は艦補処長ですが、「部長専決」として権限が委譲されている)

しかし、課業時間外は「当直士官」に「専決」権限が与えられます。

各部の専決事項

  • 計画部:艦船等の「需品」関係
  • 艦船部:艦船等の「艦船部所掌品目」
  • 武器部:艦船等の「武器部所掌品目」
  • 保管部:保管部の在庫出庫指令等

「大至急必要!」となると、真夜中でも当直士官が「専決」で管理替の手続きを行います。

海外派遣艦への出庫は時間との勝負!

特に「海外派遣艦」からの請求で、造補所をまたぐ場合は時間との勝負になります。

「何時までに出庫」して「輸出手続き」を行えば、どの時間の航空便に乗せられる!という判断が求められます。

とにかく時間との勝負になり、遅れれば「受領」が何日も伸びることになります。

「海外派遣艦」の居場所と、時差・航空輸送便とにらめっこです。

「旗持ち」機関・部隊としての責任

艦船補給処は、「田浦地区」の「先任部隊等」として「国旗掲揚台」があります。

当直士官は、毎日朝夕の「国旗掲揚・国旗降下」の「礼式」があります。

図6 国旗掲揚
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引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRbNPG-V-sV4p3kLAi5Fb0kHG880EyHc_uTKIUvEfx9mvK-nfM

毎日のことですが、大事な「礼式」となります。

「田浦地区」では、艦船補給処の「国旗掲揚」に合わせて、田浦バースの「掃海隊」の「国旗掲揚」があります。
(当時は第51掃海隊、現在は第1掃海隊)

「号令」をとちったり、失敗なんてしたら「あいつは使えん!」となります。

「掃海隊」からも「下手くそ~(怒)!」と怒声が飛んできます。

意外と、艦船補給処の当直士官業務は大変です。

そんな、色々大変な「艦船補給処」での業務が始まりました!

さて、がんばるぞ~!

こちらもご覧ください

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2018.08.08

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2018.07.16

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