【世界情勢】ルーマニアをめぐる世界情勢がロシアの戦争の火種になる!

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『ルーマニアをめぐりロシア・NATOが戦争となる可能性!』

近年ロシアによる、ヨーロッパとの戦争の可能性についてしきりに報道がされています。

2008年の「グルジア紛争」以降、欧州の危機感の高まりが指摘されています。

しかし、報道されている「バルト三国」侵攻というシナリオは、やや現実的ではないと分析します。

今回は、潜在的な火種を持つ「ルーマニア」から戦争が始まる可能性を研究!

関連項目としてこちらもご覧ください。

【ロシア】北方領土に対艦ミサイルを増強する真意を見抜け!

2018.06.30

なぜ「ルーマニア情勢」が戦争の火種となるのか?

なぜ、ロシアの勢力伸長に「ルーマニア」が関わるのか?報道されている「バルト三国」ではないのか?

そんな疑問が出てくると思います。

理由として、ロシア自体もNATOとの全面対決となる「バルト三国」侵攻は、今すぐ実施する必然性が少ないからです。

ならばロシアにとって「工作」がしやすく、NATOが動きにくい場所こそが「ルーマニア」です。

ロシアがNATOの足並みを崩して、容易に脅威排除を行える「火種」があるためです。

ルーマニア情勢は想像以上に「危うい」状態

日本では、ルーマニア国内情勢や周辺情勢についてほとんど報道されていません。

しかし最近予想以上に、ルーマニア国内情勢と周辺情勢が悪化しています。

最近日本で「ルーマニア」のことが報道されたのは、「イージスアショア」ぐらいでしょう。

しかし、ルーマニアでは与党(PSD)と野党(PNL)が激しく対立して国内情勢が想像以上に悪化しています。

現首相の「ビオリカ・ダンチラ」は、ルーマニア初の女性首相として政権を2018年1月から率いています。

図1 「ビオリカ・ダンチラ」ルーマニア首相
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引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/03/Viorica_D%C4%83ncil%C4%83.jpg

激しく対立する野党(PNL)を率いているのが「ルドヴィッチ・オーバン」です。

図2 ルーマニア野党(PNL)党首「ルドヴィッチ・オーバン」
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引用URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Ludovic_Orban#/media/File:Ludovic_Orban.jpg

政治的対立は、昨年2017年から反政府運動として大きくなっています。

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「ルドヴィッチ・オーバン」の名前は、日本ではほとんど知られていません。

今後、この人物が「ルーマニアおよび東欧情勢」のカギを握る人物となるでしょう。

ロシアが非難「ルーマニアのモルドバ併合工作」

2016年にはロシアが、「ルーマニアがモルドバを含むモルダヴィア併合を画策している」と非難する声明を出しています。

モルドバが政治危機に瀕していた時に「ルーマニア」が「統一を提案」したと非難しています。

『ロシアによるルーマニア非難』
URL:https://www.kommersant.ru/doc/2917049

図3 モルダヴィア
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/モルダヴィア#/media/File:Moldavia_map.png
(黄色の部分が「モルダヴィア」)

第2次世界大戦後、黄色の部分がソ連に割譲された場所です。

黒線の部分がその後「モルドバ」として独立しました。

一部が「ウクライナ領」となりましたが、「トランスニストリア」と呼ばれる部分が出来上がっています。

ルーマニア周辺は、ロシアにとって非常に問題のある地域なのです。

1992年の「トランスニストリア戦争」以降、「トランスニストリア」にはロシア軍が駐留しており、ロシアにとって放棄できない場所です。(2008年の「グルジア紛争」と酷似した構図です。)

さらに火種が増えることになったのが、ハンガリー右派政権の誕生です。

ハンガリーによる右派政権の誕生による情勢悪化の危険性

ロシアの東欧地域介入の口実として、さらに問題となっているのが「ハンガリー」です。

2018年4月に、ハンガリー議会選挙が行われました。

その結果、「反EU、反難民、親露」の「オルバン・ビクトル」首相が再選しています。

図4 「オルバン・ビクトル」ハンガリー首相
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/オルバーン・ヴィクトル#/media/File:Orb%C3%A1n_Viktor_2016.jpg

この人物は、強権的な政治と「反EU、反難民」を掲げた強権的な政治体制でハンガリーの民主主義体制が揺らいでいる象徴といえます。

しかし、「民族紛争」の火種となる政策を進めていることは日本ではほとんど報道されていません。

(参考資料)『ハンガリー概況』(在ハンガリー日本国大使館による分析)
URL:http://www.hu.emb-japan.go.jp/files/000284535.pdf

「トランシルヴァニア地方」への領有主張

ハンガリーによる、ルーマニアの「トランシルヴァニア地方」への領有権主張は、日本ではほとんど知られていない事実です。

何しろ第一次世界大戦のハンガリーに対する講和条約「トリアンノ条約(1920年)」まで逆行する話です。

図5 トランシルヴァニア地方(現在ルーマニアの領土となっている緑の部分)
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引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/54/Transylvania_location.svg/250px-Transylvania_location.svg.png

第一次世界大戦後、ハンガリーは「敗戦国」として国土の3分の2を失いました。

「トランシルヴァニア地方」も、ハンガリー人の居住地域でしたが「ルーマニア」に割譲されています。

オルバン首相は、ルーマニアでハンガリー人が少数民族となっている「トランシルヴァニア地方」のハンガリーへの復帰を政策としています。

しかし国土の約45%を占める「トランシルヴァニア地方」を、ルーマニアが認めるはずがありません。

この地域周辺は、第2次世界大戦終結までいろんな領土紛争が起き、2015年に共存の宣言が出ていますが、情勢が不安定です。

ルーマニア「ルドヴィッチ・オーバン」は、ハンガリー系

この時期にルーマニアとハンガリーの問題として、「ルドヴィッチ・オーバン」氏がキーマンとなります。

彼は「トランシルヴァニア地方」の出身で「ハンガリー国籍」も持っています。
(ハンガリー政府による、国外在住ハンガリー人への国籍付与政策)

ここにロシアが「トランシルヴァニア地方」問題解決のために、「政治工作」を仕掛けたら?

ルーマニア・ハンガリーの間に容易に亀裂を生じさせることができます。

元々歴史的に仲の悪い隣国同士に、かつての「領土」の問題が発生すると、NATOも動きにくくなります。

ただでさえ、EUと難民問題で揉めているところに「ハンガリー優先主義」が発生したら?

ルーマニアにある、米国のMDシステムを排除したいロシアにとって好都合な状況が生まれます。

そして「礼儀正しい人々」が登場する・・・

ルーマニアは政情不安で

  • 『モルドバとの統一問題』
  • 『ハンガリーの右派政権との対立』
    (「トランシルヴァニア地方」)

を抱えています。

ここまで混乱した状態は、かつての「東欧革命」以来でしょう。

ロシアにとって、「ルーマニア」を勢力圏に引き込むとNATOへのけん制となります。

ロシアにとって簡単な方法として、正規軍を投入する必要はありません。クリミア半島のような「礼儀正しい人々の蜂起」があればよいのです。

図6 「礼儀正しい人々」(クリミア半島)
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引用URL:http://img01.militaryblog.jp/usr/s/u/b/subv72ud80/%D1%87%D1%82%D0%BEs%D1%8Fs%D0%B1%D0%BE%D0%BB%D1%8C%D1%88%D0%B5s%D0%BD%D0%B5s%D0%BAi%D1%82s3.jpg

正面から正規軍同士で激突するリスク避けて、NATOの弱点である東欧を攻略する簡単な手段です。

今後「ルーマニア」「ハンガリー」周辺の情勢が、ロシアの勢力拡大のカギとなるでしょう!

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3 件のコメント

  • お久しぶりです。日本でこのような事実はあまり報道されてはいないそうですが、ペンギンはどうやってこのことをご存知になったのでしょうか?

    • お久しぶりです、コメントありがとうございます。
      ルーマニア周辺情勢と「トランシルヴァニア地方」の問題は、1990年代に米国の軍事アナリスト「トレヴァー・ デュピュイ」が発表した、冷戦終結後に起こりうる戦争シナリオ分析の本で最初に知りました。
      その後、情勢が落ち着いてきたのですが、興味を持って追いかけていました。

      最近の2010年代以降になって、戦争シナリオの前提条件となる事態が見事なまでにそろい始めた為、再度情報を洗いなおしてみると、かなりヤバそうな状況であることが、ロシアの報道や東欧のニュースで見つけることができました。

      日本の報道だけでは、東欧の情勢があまり報道されない傾向があります。
      「スプートニク日本」(ロシアメディア)を見ると、西側とは反対の視点からの情報が入ってきてかなり面白いですよ~。

      • 返信ありがとうございます。東側のニュースを見ていらっしゃるんですね!ペンギンさんのブログはいつも僕が知っていることを別の視点から解説してくださるので、とても勉強になります。これからの記事も楽しみにしています。

        ところで、今になって気づいたのですが、最初の質問で「さん」とかつけないで呼び捨てになってますね。。。失礼しました。

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