【艦発隊】最初の仕事は「魚雷拾い」?!

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『艦艇開発隊での最初の大仕事は、魚雷拾い!?』

艦艇開発隊に配属され、いろいろな業務に慣れて来た「ペンギン」です。

仕事に慣れ始めると、いよいよ装備実験部の仕事を少しづつ任されるようになります。

将来的に海上試験の担当を任される前に、他の海上試験にて試験のやり方を学びます。

そんな「ペンギン」に命じられた、最初の大仕事は「魚雷拾い!」

前回の記事

【装備課程修了】課程終業!『艦艇開発隊勤務を命ずる』

2018.05.28

「魚雷発射試験に行くぞ!」

艦艇開発隊装備実験部では、各科にて並行していくつかの試験が計画・実施されています。

それぞれの試験は、「主担当者」がおります。

この方が試験全般の、

  • 計画立案
  • 試験実施要領作成
  • 試験役務契約要求
  • 試験参加部隊調整
  • 試験実施統制
  • 試験結果解析
  • 試験報告書作成・報告

を実施します。

海上試験を実施するときには、「隊付」のような仕事も行います。

海上試験は、単艦で行える試験は少なく、たいてい複数艦が試験に参加します。

試験参加艦には必ず1名以上「艦発隊装備実験部」幹部が乗艦する。

海上試験実施時には、試験参加艦艇に、必ず装備実験部の幹部1名以上を乗せて試験を行います。

理由として、艦艇の運航は「試験実施要領」によりある程度コントロールできます。

しかし、技術的な問題などが発生した場合などに、判断を行うために「装備実験部」幹部が乗艦します。

最終的に、試験に関しての責任を「艦発隊」側が持つため、乗艦する「艦発隊」幹部には大きな責任を負います。

「海上試験を行うので、乗艦する人間を割り当てる。」

艦艇開発隊装備実験部は、実は意外と在籍している人数が少ないという実情があります。

各科に幹部自衛官、海曹がいますが、そのほかに技官、研究職技官がおり、中でも、海上自衛隊の部隊の中でも珍しい「OR研究職技官」もいます。

そのため、実際に艦艇乗艦経験のある幹部自衛官を、各艦に配置しようとすると人数が足りません。

『今回の海上試験、「ペンギン」は魚雷揚収の任務で多用途支援艦に乗ってくれ』

装備実験部全員が参加する、海上試験の実施研究で指名されます。

海上試験の場合、たいてい他の科の幹部自衛官も動員されます。

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私の場合は、海上試験に慣れさせるために参加させてもらえたところがありました。

しかし魚雷か~、ちゃんと勉強しましょうか!

今回の試験は「80式魚雷」と「89式魚雷」を潜水艦から発射する試験です。

魚雷は、意外と細部が違うのでよ~く理解しておく必要があります。

図1 80式魚雷
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/80式魚雷#/media/File:JMSDF_Type_80_torpedo_in_JMSDF_Kure_Museum_20140915.JPG

魚雷発射試験も大変だ~!

魚雷発射海上試験の参加により、久しぶりに海に出ることになりました。

「船務士」として勤務して以来の、洋上生活です。

今回の試験は

  • 魚雷発射を行う「潜水艦」、
  • 魚雷の模擬標的となる「護衛艦」(試験統制艦兼任)
  • 魚雷揚収の「多用途支援艦」

の3艦で実施することになります。

試験統制艦の「護衛艦」には、試験主担当者と科長が乗艦します。

魚雷を発射する「潜水艦」には、試験記録担当幹部・魚雷発射作業担当幹部および魚雷員3名が乗艦します。

魚雷揚収の「多用途支援艦」には、試験担当幹部(「ペンギン」)と魚雷員1名、揚収作業支援EOD3名(水中所分隊から派遣)が乗艦します。

海上試験は、意外といろんなところの支援により大所帯になります。

多用途支援艦での魚雷揚収作業

魚雷発射試験での魚雷揚収作業は、開発隊群所属の試験艦「くりはま」が行うことが多くありました。

ただ、この時は「くりはま」が年次検査に入ってしまっていたため、多用途支援艦で行うことになりました。

潜水艦隊の魚雷訓練発射における、魚雷揚収作業を「多用途支援艦」が行うためです。

「多用途支援艦」に搭載されている「デッキクレーン」にて揚収します。

図2 多用途支援艦デッキクレーン
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引用URL:https://pbs.twimg.com/media/C54GNNhU8AErjmw.jpg

「絶対に見つけろよ!発見できなかったら大変なことになるぞ!!」

海上試験に向かうときに、試験主担当者から、

「魚雷は絶対見つけろよ!発見できなかったら大変案ことになるぞ!!」

との脅し文句が入ります。

同然のことで、訓練魚雷でも●億円もする代物です。

予定の距離を航走した訓練魚雷は、水面浮上して信号を発信します。

しかし、何もない洋上で信号を頼りに探すのは非常に困難です。

さらに「80式魚雷」と「89式魚雷」は、水面浮上時の姿勢が違うため、捜索は総員で行う必要があります。

海上試験の期間は1週間・・・

今回の洋上試験の予定は、1週間の予定となりました。

海上発射試験の海域で、

  • 「天候・波の穏やかな日」
  • 「近くに船がいない時間」

を狙って行うため、2発の試験の為に1週間分の予定で実施される事に・・・

「試験中断を進言します!」装備幹部の自覚

洋上試験期間が始まり、試験発射のタイミングを見計らっていました。

図3 波の合間を見計らって!
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引用URL:https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/KAZ_86nijimuumibe_TP_V.jpg

何とか行けそうな気配となったので、『魚雷揚収可能。試験実施可能』との信号を送りました。

第1回の試験発射が実施され、予定通りの魚雷航走が出来ました。

訓練魚雷の信号を追跡して、浮上した訓練魚雷の回収作業を実施いたしました。

しかし、魚雷回収中に、どんどんと波の状況が悪くなりましたが、何とか1発目の魚雷回収が終了しました。

洋上での回収作業を行ったEODを見て、私は決断しました。

「艦長!試験中断を進言します!」

EODの疲労具合を見て、艦長に「試験中断」の進言をしました。

海上試験の時、最終判断は「艦長」が行うが、試験全般については「試験担当幹部」の判断が優先されるという約束事になっておりました。

『少しでも試験続行に不安を感じたときは、躊躇せず試験中断を進言せよ』

艦艇開発隊装備実験部で、繰り返し教えられていた言葉です。

艦長から、『了解』の合図があった後、「試験統制艦」に「試験中断要請」の連絡を入れて、その日の試験は中断となりました。

「(艦長)よく判断した!」

試験用魚雷1発目の揚収作業を完了させ、EODの健康チェックやその他試験記録をつけ終わり、その日の作業は終了しました。

夕食の時間になり、船の士官室に行く時はかなり重い気分でした。

何しろ、試験期間を1日延期させる判断をしたのですから、艦長からのお叱りを受ける覚悟で士官室に向かいます。

これが海上試験での「試験担当者」の一番重い任務で、『艦側のお叱りを全て受ける』ことです。

士官室では、艦長以下幹部が揃っていました。

そこで艦長から、

『よく判断した!俺の判断で試験中断をする予定だったが、よく進言してくれた!』

と、思ってもみなかった言葉を掛けられます。

「多用途支援艦」の艦長は、私「ペンギン」が幹部候補生だった時の幹部候補生学校教官でした。

判断ができるかどうか、見守っていたところでちゃんと「幹部」として判断したことを喜んでくれていました。

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2016.11.20

装備幹部としての本格的な自覚と覚悟を持つ!

第1回発射試験での、こんな一幕があり、翌日の試験に繋がりました。

艦側の乗員や、EODの方にも話が広がっており、翌日の試験はスムーズに終了しました。

最初の大仕事となった「魚雷揚収」の仕事を通して、装備幹部としての責任と自覚に目覚めた「ペンギン」であります。

これからも、いろんな試験を頑張るぞ!

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