【艦発隊】特別機動船(SB)をめぐるエトセトラ(特別警備隊関係)

海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t

『特別機動船の導入と運用修理でドタバタ!』

艦艇開発隊においては、特別機動船(SB)の導入および運用試験などがありました。

最近では、総監部警備隊に配属されるようになった「特別機動船」です。

最初の導入時は、いろいろなトラブルや輸入ゆえの悩みに振り回されるっことになります。

そんな、「特別機動船(SB)」に関する苦労話をご紹介!

前回の記事

【艦発隊】最初の仕事は「魚雷拾い」?!

2018.06.12

特別警備隊用に「特別機動船」を導入したけれども・・・

特別警備隊の編成に合わせて、行動手段としてRHIB(複合艇)の導入が行われました。

高速にて、対象船への乗込む手段として、高速RHIBの導入が決まりました。

元々、6.3m型複合作業艇などで「ゾディアック社」の製品が、海上自衛隊で導入されていました。

そのため、特別警備隊用としての「特別機動船」導入についても、「ゾディアック社」製品導入が進みました。

しかしながら、初期に導入された頃は、とてつもなく悩まされる代物となります。

図1 初期に導入された「特別機動船」(同タイプの民生用)
海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t
引用URL:https://boats-from-usa.com/sites/default/files/styles/large/public/boats/2017-10/13/149803/zodiac-hurricane-h733-1722389.jpg?itok=gVbN9bb5

故障しやすい!部品がない!修理ノウハウがない!

初期に導入されたタイプは、7.3m型のタイプになります。

よく「11mRHIBを特別警備隊は使っている」といわれますが、「11mRHIB」の導入は最近のことです。

輸入代理店を通じて調達したのですが、これがまた故障しやすい!

特別警備隊の過酷な訓練のため、酷使されるのは当然のことです。

そのため、エンジン故障や船体損傷などが当然発生してきます。

修理の為に、陸揚げしても問題があり、修理部品が不足しているうえに、高額となります。

輸入代理店が、故障部品の手配をするのですが、これがまた高い!欧州製の器材は、総じて修理用部品が高い傾向になります。

また、FRP+硬質ゴム製の船体の修理ノウハウが、今までとは違う物が必要になってきました。

初期のころは、「ゾディアック社」から技術者の派遣を受けて修理せざるを得ませんでした。

そのため、ランニングコストが馬鹿にならない代物となりました。

「第5種支援船」とした弊害が出る!

また「特別機動船(SB)」を「船舶」としたことが、後々の問題として出てきました。

「艦艇の搭載艇」となる「複合作業艇」は、艦艇の修理の中で修理が行えます。

しかし、「第5種支援船」となった「特別機動船」は、修理などがややこしくなりました。

「年次検査」や「定期検査」といった、「船舶」としての修理を行う必要が出ました。

しかし導入から何年かは、一般競争入札での修理を引き受ける会社が無い状態で、「造修補給省工作部」での検査修理が続くことになります。

特別機動船の増加に伴う、修理工事や部品供給などが課題となってきました。

国産RHIB導入という変化へ・・・

輸入品のRHIBにて、導入後いろいろと問題点が発見され、不具合解消が急務となりました。

特別機動船について、各地方総監部警備隊(水中処分隊)に配備が拡大されることになります。

ここで、国内のメーカーから「特別機動船(SB)」製造に名乗りを上げた会社が出てきました

その会社(N社)は、海上保安庁へのRHIB製造・納入に実績がある会社で、海上自衛隊へも納入実績のある会社です。

「内火艇」をFRPで製造するときも、最初に挑戦してくれた会社です。

図2 海上保安庁のRHIB(搭載状態)
海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ddsj5ZqV4AE3HTG.jpg

性能は同等!導入価格は半額になったよ!

実際に「特別機動船」の競争入札となったとき、従来の半額で1.9t型「特別機動船」が落札されました。

これだけ、価格が下がっても大丈夫なのかという疑問が各所から寄せられました。

しかしN社はFRP製の複合艇事業で、国内で唯一自社建造が可能な会社であり、海上保安庁に納入していた「複合艇(FRP+硬質ゴム)」のノウハウもありました。

その結果、「特別機動船17号」以降の船は、国産となりました。

図3 国産の「特別機動船」
海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t
引用URL:https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/10968461_720325661398233_855402467616441323_n.jpg?_nc_cat=0&oh=3be5a4a62ad8f2e968621bd8839e3c23&oe=5BB90D78

整備等のランニングコストも下がったよ!

国産の「特別機動船」導入の結果は、高速航行などの安定性が、「ゾディアック社」製よりも優れていることが判明いたしました。

また、修理・部品交換などの期間が短縮できるなど、ランニングコストに優れた結果が出ました。

「海賊対処派遣部隊」での使用でも、故障が少ないタイプとなりました。

「ゾディアック社」も11mRHIBで巻き返し!

しかし、最初に「特別機動船」を納入した「ゾディアック社」も手をこまねいているわけではありません。

本格的な11m級RHIBの導入(5.9t型)で巻き返しを図ってきました。

国内での修理サポート態勢を導入して、海上自衛隊や民間に納入を始めました。

図4 新型の「特別機動船(5.9t型)」(SB25号)
海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t
引用URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JMSDF_SB-25_left_rear_view_at_Maizuru_Naval_Base_July_27,_2014.jpg

「海賊対処派遣部隊」では、各国海軍が「ゾディアック社」製RHIBを使っていることもあり、共用性の観点から導入されることになりました。

ただ、11mRHIBを搭載できる「内火艇揚収容装置」を持つ護衛艦DDは、「あきづき型」以降になっています。

図5 「きり型」での「特別機動船」収容状態
海上自衛隊,艦艇開発隊,特別警備隊,特別機動船,RHIB,輸入,国産,1.9t,5.9t
引用URL:http://msdfmso.info/wp-content/uploads/2016/04/24hasui3kai2-480×318.jpg

そのため、「海賊対処派遣部隊」で「特別機動船」を使用する場合は、従来の1.9t型(7.9m)との併用になるでしょう。

「特別機動船」の導入と、その後の運用でいろんなことが起きました。

今後も、変化が起きていくものと思われます。

こちらもご覧ください

【艦発隊】AK-47を入手せよ!(特別警備隊装備研究)

2018.06.08

【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関与する研究について

2018.06.02

【装備課程修了】課程終業!『艦艇開発隊勤務を命ずる』

2018.05.28

記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

もし記事が気に行って頂けましたら、

↑ブログ主の更新の励みになりますので
上記バナーのクリックをお願い致します!