【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関与する研究について

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『艦発隊装備実験部で特別警備隊関係に関与するため』

艦艇開発隊装備実験部に配属された「ペンギン」です。

艦発隊装備実験部に関わると「特別警備隊」関係に関与することになります。

特別警備隊の装備品全般の開発を、艦発隊装備実験部が担当していたためです。

今回は、話せるレベルで書いてみようと思います。

前回の記事

【装備課程修了】課程終業!『艦艇開発隊勤務を命ずる』

2018.05.28

艦艇開発隊と「特別警備隊」の関係性について

艦艇開発隊と「特別警備隊」、一見関係が無いように思える2つの部隊ですが、実は関係しています。

「特別警備隊」装備品全般の研究開発や、性能調査試験を艦艇開発隊が実施しています。

艦艇開発隊は「研究開発専任部隊」として、航空機を除く艦艇全般にかかる研究開発を行います。
(海自航空機関係の研究開発は、第51航空隊で実施)

研究開発体制の集約から艦発隊で試験実施が決定

特別警備隊の創設当初は、特殊性を考慮して研究開発も「特警隊」で実施することも検討されました。

しかし、「研究開発体制」の集約から、実用試験の実績のある「艦発隊」で実施されることになりました。

「特警隊」の創設当初は、部隊規模が小さく、研究開発まで手が回らないことも考慮されています。

艦発隊装備実験部全体にて「特警隊」装備研究を実施

特別警備隊の装備品は、多岐にわたる装備品を研究する必要がありました。

そのため、艦艇関係全てを網羅するため、艦発隊装備実験部で実施することになった経緯があります。

また、「艦発隊」は試験関係の予算配分や、関係各社との連携体制の構築という点で、利点がありました。

艦艇開発隊という「ゲート」により情報秘匿を実施

当初から、特別警備隊への情報秘匿に留意する必要がありました。

特に装備品等では、直接「特別警備隊」に納入してしまうと、情報漏洩の問題が付きまといます。

そのため、「艦艇開発隊」での試験で「物品補給」のルート作りが行われています。

海上自衛隊の「物品管理」で「秘匿性の高い物品」の納入、部隊への輸送に関して「横須賀」に独自のルートがあります。

このルートを通すことにより、「物品納入先」から「特別警備隊」の情報を隠すことができる利点があります。

自動小銃をどうするべきか?長く続いた議論

特別警備隊の自動小銃については、発足当初からの議論が続いていました。

図1 89式自動小銃
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/89%E5%BC%8F5.56mm%E5%B0%8F%E9%8A%83#/media/File:89R%EF%BC%88%E5%88%9D%E6%9C%9F%E7%94%9F%E7%94%A3%EF%BC%89.JPG

当初から89式のみでは、任務遂行に支障があると判断されており、特警隊側からも自動小銃の要求が続いていました。

「HK416」は当初から検討はされていた。

ネット上の世界で、「HK416がSBUに配備された!」という話題が上っております。

真偽については、論評を避けます。

ただ、当初から「HK416」が候補に挙がっていたのは事実です。

私がいた当時の、艦発隊装備実験部の検討会議資料の中にも、「HK416」がありました。

ただ、検討されていた時に米軍内でのゴタゴタ(HK416の導入中止)などがあり、すんなり導入できるか不明だった点があります。

自動小銃の導入について、当初は「FMS」での購入が検討されていましたが、候補の「HK416」が米軍装備品リストから外されることがあり、バタバタしていました。

図2 HK416
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/H%26K_HK416#/media/File:HK416.jpg

7.62mmか?5.56mmか?口径をめぐる諸問題

装備品検討の時に大きく問題になったのが「どちらの口径を使うか?」という問題です。

目的任務を達成するために、必要な自動小銃の口径についての議論は紛糾しました。

これは、単に自動小銃を装備するだけでなく、その他の装備選定に影響を与えるためです。

  • 「防弾衣はどこまでのレベルにするのか?」
  • 「隊員落水時の浮力確保への重量配分の検討が不十分」
  • 「SB(特別機動船)の馬力と隊員輸送への影響があるか?」
  • 「船内戦闘における威力、取り回しの問題をどうするのか?」
  • 「弾薬供給について、国産弾をそのまま使用できるか?輸入するのか?」
  • 「導入する狙撃銃との弾薬の共用性を持たせるべきか?」

かなりの論議となりました。

装備品の秘匿という問題

論議の中で、大きな条件とされていたことが「装備品情報の秘匿」です。

当初からの方針として「特別警備隊の装備品情報については、全て秘匿する」という方針がありました。

その為、FMSでの導入についても秘匿性の問題があります。

米国側では、FMS契約情報は「原則公開」というルールがあります。

FMS契約では、装備品が入手しやすいものの、公開情報として判明しやすいという問題もあります。

そのため、導入方法についても慎重に検討されました。

陸自の「S」は、FMSでの導入で行うとの方針が最初からありました。

海自の場合、FMSのデメリットを熟知していたため、FMS購入に慎重でした。

『存在しないことになっている装備品』

いろいろな検討を重ねた結果、装備品の情報については『存在しないことになっている装備品』という方式で行くことになりました。

そのため、今後も「これが配備されているのか?」という情報照会には、『存在しない』という回答が出ることになるでしょう。

契約情報に関する話

艦艇開発隊において、特別警備隊関係の調達・試験等を実施しています。

この関係で、契約情報から漏れることはないのか?という疑問があるかもしれません。

ある方がツイッターで、「横須賀」で妙な器材等を多く調達していると疑問をつぶやいています。
(追記:つぶやいた方のご了承をいただけたのでご紹介します)
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引用URL:https://togetter.com/li/1062723?page=2
防弾たくあん様のツイッター
https://twitter.com/JmaEod

 

契約と要求部隊のカラクリ

横須賀地方総監部は「契約」のみを担当しています。実際の「契約要求」や試験役務は「艦艇開発隊」で実施しています。

艦艇開発隊は、横須賀地方隊の隷下部隊ではありませんが、横須賀地区での「地方契約」は、「横須賀地方総監部経理部長」のみが実施できます。

そのため、「契約情報」で「横須賀地方総監部」が出てきます。

契約情報公開と秘密保全の兼ね合い

艦艇開発隊の試験役務などは、情報保全との兼ね合いが非常に難しいところでした。

「契約情報」については、「原則全ての情報を公表」という原則があります。

秘密保全が優先される契約であっても、契約件名などについては公表しなければなりません。

そのため『横須賀地方総監部経理部契約課』とは、かなり「特別警備隊」に関する契約で折衝を重ねました。

『契約金額』や『個数』などに関しては、「非公表」とすることは了解が取れました。

しかし『契約件名』『契約相手』に関しては、かなり揉める事態となりました。

秘密保全優先か?契約規則優先か?という葛藤があり、最終的には、『契約件名の工夫』という形で決着しました。

『契約件名』は『試験などの件名を記入』するが、『具体的情報は件名に入れない』という方式になりました。

そのため、『契約情報』から試験内容・具体的な調達物品を推測できない形になりました。

契約情報で、ときより『よくわからない件名』があるのはそのためです。

契約課職員や、原価計算課の職員に対しても、具体的な物品名は伏せられたままになってます。

そのため、いろいろと苦労をおかけした点があります。

話せるギリギリの所まで・・・

特別警備隊関係の情報に関しては、かなり話せる範囲が限られています。

そのため、どうしても『歯に物が詰まったような言い方』になります。

それでも、ちゃんとした一定の情報を話すことで、間違った情報が悪用されることのないようにしていきたいと思います。

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